わすれられない友だち (6)



(2005年11月23日作成)


実は本当にこの本なのかわからない。
でも、発行年は1974年だし、複数の話が入っていたから、
著者が「日本児童文学協会(編さん)」となっているのもそれらしい感じがする。


いくつかの話が入っていたとは言っても、覚えているのは一つだけ。
しかもそのお話の一部分だけ。



太平洋戦争が終わりに近づいた頃の話。
場所は日本だったか中国だったか。
二人の女の子が仲良しになる。
一人は日本人、一人は中国人。
(この二人は言葉が通じ合えたのかどうかも覚えていない)


お話は日本人の女の子の視点から書かれていた。
どちらかが国に帰ることになり、離れ離れになることが決まった日、
二人の女の子はそれぞれ髪を少しだけ切って、一緒に土に埋めることにした。
切った髪を束ねてみると、中国人の女の子の髪の毛の色合いが、
少しだけ茶色かった。


お話としてはもっと何かがあったはずなのだが、
髪を土に埋めるという行為に驚きを感じたのか、
いくつかのお話のうち、このお話だけ、
しかもこの部分だけ、妙に鮮明に覚えている。


小さい頃たくさん絵本を読んでもらって絵本は大好きだったけれど、
絵本から本への移行にはギャップがあった。
小学校1、2年生の時にはほとんど本を読まなかった。
薄暗い「図書室」には年代モノの作文集しかなかった。


あの図書室は低学年専用だったのか?
妙に狭くて、本当に作文集くらいしかなくて、
それも全然面白くなかった。
母は読み聞かせをしてくれていたようだが、
自分で本を読むことはなかった。


何がきっかけだったのか、小学校3年生になって、
突然、体内に埋め込まれた「本の虫」が動き出し、
どんどん本を読むようになった。
3年生の時に行っていた図書室は明るくて広くて、
いろんな本がたくさんあった。
この頃に新校舎が作られたから、
図書室もちゃんとしたものが作られたのだろう。



「わすれられない友だち」はこの図書室で読んだ。
この本にはおかしな思い出がある。
この髪の毛を埋めるお話が妙に気になって、何度も借りたのだが、
何度目かに借りた時に、なぜか私のハンカチが挟まっていた。
小さいピンクのバラの蕾を散らした模様の
ピンクの縁取りのハンカチ。
お気に入りだった。


図書カードを見たら、
私以外誰も借りていなかったからよかったものの、
ハンカチにはしっかり名前が書いてあったので
ちょっと恥ずかしかったのをはっきり覚えている。


本の虫の活動開始後しばらくして、急激に視力が落ちた。
両親ともかなりの近眼というのも影響したと思う。
仮性近視の治療をしている都内の眼科に通うようになった。


今のご時世ではかなり危険な行為かもしれないが、
小学校中学年頃から、母は子どもだけで行動させることが多かった。
電車に乗っていく場合、一度目はついてくるけれど、
二度目からはついてこなかった。


眼科に行くのも一人だったし、
沿線のスイミングクラブに行くのも、
妹と二人だけで通っていた。


眼科に行くのは朝だった。
ラッシュのピークではないけれど、
それなりに電車が混んでいる時間帯。
いつも同じ時間の同じ車両に乗っていたのか、
大学生らしいお兄さんたちが、
私がつぶれないように配慮してくれていた。
「ちいさい彼女がいるから…」
という言葉を覚えている。


もしかしたら「かのじょ」という言葉を耳にしたのは
これが初めてだったのかもしれない。


ある日、眼科の近くの大通りの交差点で、
ツインスターの布のバックを拾った。
(今はリトルツインスターとかキキララというのが一般的??)


中には白い縦笛が入っていた。
交通整理のおまわりさんに渡そうとしたら、
すぐ近くの交番へ持っていくように言われた。


交番へ持っていくとおまわりさんに
住所、名前、電話番号を聞かれた。
あの当時でも、平日の朝、
繁華街を一人で歩いている小学生というのは奇妙だったのだろう。
おまわりさんはすぐに家に電話した。


後で聞いた母のコメント。
「心臓が止まるほど驚いた」
そりゃ、そうだろうな。警察からの電話じゃ…


ツインスターで思い出したが、小学生の頃はサンリオ全盛期だった。
姉は確かパティ&ジミー、
妹はツインスターが好きだった。
私は「風の子さっちゃん」という
ちょっと地味なキャラクターが好きだった。


サンリオのサイトを見たら「タイニーポエム」という名前で、
本名に「さっちゃん」と書かれていた。
>風にのって、緑の野山を元気いっぱい遊ぶのが大好き。
>好きなお花はタンポポ。
>ボーイフレンドのダイちゃんと、とっても仲良し。
上記はサンリオのサイトより引用。
ボーイフレンドのダイちゃんて誰?? 知らないぞ…
さっちゃんの絵がついたトレーシングペーパーみたいな材質の
便箋が宝物だった。
もったいなくて使えなくて、結局どこかへいってしまったのだが。
 
 
 
なつかし図書館のページへ
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