ざっそう

かがくのとも傑作集―どきどきしぜん
甲斐信枝

(2005.09.13作成)



実家にある、私が読んだ本は
厚手の紙の真ん中2箇所をホチキスで止めたもの。


幼稚園で申し込んで毎月受け取っていたような記憶がある。
確かに本の裏側には
「月間予約・科学絵本「かがくのとも」通巻42号」
という文字がある。値段は100円。(1972年9月1日発行)


原っぱに生い茂る草の名前を知ったのはこの本からだった。


この本の表紙の絵は「あかまんま」。
最近はあまり見かけない気がする。
おままごとの時には、固まりになった実をしごいてバラバラにして、
お赤飯にするのがお約束だった。


この本の中で一番印象的だったのは「ようしゅやまごぼう」。
名前も変わっていたし、近所の荒れ果てた一軒家の垣根に
絡み付いていたのをよく覚えている。


実を採ってきて潰して赤紫の汁で指先を染めて遊んだ。
一体どういう字を書くのかと思ってインターネットで調べたら、
「洋種山牛蒡」だった。
明治の初期に日本に来た北アメリカ原産の帰化植物。
根にはキナンコトキシンという有毒成分が含まれていて、
中毒を起こすこともあるそうだ。


ものすごく背が高くなるし、ツルを伸ばして広がる植物だから、
わざわざ引っこ抜いて根を食べようと考える人は少ないと思うが…


ままごと遊びの時に玉子焼きとして活躍したのが「ははこぐさ(母子草)」。
葉に白い毛があり、乳児の舌に似ていることから「母子草」になったそうだが、
赤ちゃんの舌って毛が生えていたっけ???


母子草は草餅の材料だったそうだ。
確かに摘んだときに独特の香りがしたような記憶がある。
ヨモギが使われるようになったのは明治頃からだという。
これも最近は全然見ていない気がする。



「やぶからし」も例の荒れ果てた一軒家の庭の勢力者だった。
やぶを枯らしてしまうほどの繁殖力からこの名前がついたそうだ。
別名はビンボウカズラ。
でも、やぶがらしの花(実?)はブローチみたいで
かわいいと思っていた。
ちっちゃな淡いオレンジ色が好きだった。


「からすのえんどう(烏野豌豆)」も、
実物とこの本の挿絵がリンクして覚えたもの。
深い紅色の小さな花とエンドウ豆に似た実が好きだった。
さやを割って種を取り除いて、片方をちぎって吹くと、音が出るらしい。
知らなかった。今度見つけたらやってみよう。


インターネットで調べたら、雑草のことが書かれたサイトがたくさんあって
ちょっとびくりした。
たいていキレイな写真が添えてあり、名前や花びらの数、花の色などから
検索できるようにしてあるサイトもあった。



私が子どもの頃は家の近所に原っぱが4つあった。
その日の気分でどの原っぱに行くか決めていた気がする。
本当は入っちゃいけない原っぱが一番好きだった。
その原っぱは背の低い草が多くて、花が多かったから。


この本を見ていたら、
殿様バッタを追いかけたり、
トンボを捕まえたり、
四葉のクローバーを探したり、
不思議な匂いのする葉っぱに鼻を押し付けたりしていた自分を
ありありと思い出した。


タンポポの茎からでる白い液が黒いべたべたに変わって
なかなか取れなくなって困ったり
しっぽを残して逃げるのが面白くて夢中でトカゲを追いかけたり、
やっとの思いで虫取り網に追い込んだアゲハチョウを捕まえたら、
その胴体の予想以上の太さに驚いて手を離してしまったり、
アリ地獄に落としたアリがあっさりと這い出してくるのに驚いたり、
カマキリの卵を見つけて取ろうとしたら、ハチに刺されて大泣きしたり、
動きのすばやいイチモンジセセリを捕まえたら、
指に燐粉がべったりついてギョッとしたり…


アゲハチョウの羽の色、
草を摘み取った時の独特の匂い、
昆虫の足のちくちくする感触、
草を揺らす乾いた音、
サルビアの蜜の味…
遠い昔のことなのに、はっきりと思い出せる。


服をどろどろにして、つめの間に泥をたっぷり詰め込んで、
たくさん虫を捕まえて帰ってきた娘を母はどう思っていたんだろう。


セミの抜け殻さえ怖くなっている今、息子が虫を捕まえて帰ってきたとき、
私はキチンと対応できるかすごく不安だ…
彼の喜びや興奮に共感できるんだろうか???
うーん。男の子のお母さんってちょっと大変かも…


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