おとなのための童話 抽斗図書館(ひきだしとしょかん)
メルマガ 抽斗図書館より編集
この音楽は鈴木敬先生の作曲・演奏です。
タイトル 「秘密の小箱」
抽斗図書館のイメージで作曲していただきました。
お話をお読みになりながら、楽しい音楽もご一緒にどうぞ。
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鈴木敬先生 オフィシャルサイト
http://www.suzukikei.biz/
其の一
はじめまして。
Monと申します。
このたび、抽斗図書館を開設いたしました。
これは、あわただしい生活の中で、
視界に入っていながら、いつの間にか消えてしまうもの、
耳にしていながら、いつの間にか忘れてしまうもの、
いつかやろうと思いつつ、「いつか」の賞味期限が切れかけているもの、
数年ぶりに思い出したのに、忙しさの中にまた消えてしまった記憶、
そんなものを抽斗に入れて保管しておく図書館です。
街の中で見かけたもの、新聞・雑誌の記事、広告、
音楽、電車の中の会話、子どもの遊び、すれ違った人の香水、
空の色、雲の形、月の大きさ…
そこから生まれる想い、考え。
そこから浮かび上がる記憶・・・
そういうものが、
試したくなるような実用的な形になったり、
思わず笑顔になるような楽しい形になったり、
目が真ん丸くなるような珍奇な形になったり、
持って帰りたくなるような形になったり、
???な形になったりして、抽斗の中に入っています。
抽斗を自由に開けて、
こんなものがあったなぁ、こんなことがあったなぁと
中身を眺めているほんの数秒間は、
家事のことも、育児のことも、仕事のことも、
ちょっと棚上げしてしまうのが、閲覧のコツです。
◆抽斗◆
ひきだしは、とにかくたくさんあります。
同じようなひきだしがいっぱい並んでいるけれど、
見回すと、あれ?と思うひきだしがみつかります。
そのひきだしだけ、まわりのひきだしとは色が違って見えるとか
そのひきだしだけ、何か注意を引く雰囲気があるとか…
そのひきだしに、お探しのものがはいっています。
メニューをクリックすると、そのページに飛びます。
◆抽斗をあけたら◆
◆閲覧用ブース◆
◆司書◆
◆来館記念◆
◆クローバー◆
◆歌の道◆
◆言の葉・ことのは◆
◆金色の時間◆
◆入館証◆
◆新着◆
◆ステンドグラス◆
◆抽斗をあけたら◆
あたまを空っぽにしましょう
コレは○○だとはすぐに考えずに
色や形を目で味わってください
赤ちゃんがめずらしいものを見つけたときのように
自然に手が伸びてくるまで じっと眺めているのが楽しむコツです
じっくり眺めてください
それから目を閉じてみてください
ひきだしの品とあなたの波長が合えば
「問い」を感じるときがあります
でも、「問い」を求めすぎてしまうと、
「問い」を感じられなくなってしまいますので
リラックスして、楽しむ気持ちを大切にしてください
引きだしによっては、香りを感じるものもございます。
実際には香りは存在しないのですが、
香りの記憶を呼び起こす所蔵品は多数ございます。
香りを感じたら、そのままその香りを味わってください。
深い深い記憶の底に沈んでいる思い出に再会できるかもしれません。
引きだしをあけた途端に、
何か強いエネルギーを感じることもございます。
それが貴方にとって嫌な感じがしなければ、
そのまま所蔵品をお楽しみください。
もし何かちょっとでも嫌な感じがあれば、
司書をお呼びください。
貴方の中の何か未解決のもの、未完了のものに
決着をつけるお手伝いができるかもしれません。
◆閲覧用ブース◆
じっくりごになりたい方のために
閲覧用ブースをご用意しております
本当に心惹かれたものを、
閲覧ブースでじっくりご覧いただくと
不思議な世界に入っていけます
特に、ひきだしの品から「問い」を受けた方は、
ぜひ閲覧ブースをご利用ください
答えが見つかったら
「問い」「答え」をカウンターまでお知らせくださいませ
こちらも当館の収集品でございます
ご協力の程、よろしくお願いいたします
◆司書◆
館内には常時7名おります。
閲覧の邪魔にならない場所におります。
司書のお手伝いが必要な時には入館証を
手近な場所にあるカードリーダーに通して下さい。
すぐにお手伝いに参ります。
ただし、時間帯によっては、貴方様とは別の種の者が
対応する可能性もございます。
もちろん言葉は通じますし、きちんと訓練を受けておりますので
ご安心くださいませ。
ちなみに、わざわざ深夜の時間を選んでお越しくださる方も
大勢いらっしゃいます。
◆来館記念◆
当館を気に入っていただけた方には
来館記念に小さなオブジェをおつくりしております。
当館に対する貴方様の< 想い>を使って作成いたしますので
心に焼きつくような印象をお持ちでないと、
作成できない場合もございます。
事前に必要な量の< 想い>をお持ちかどうかを測定しておりますので、
ご希望の方は「測定希望」の用紙に必要事項を記入して
カウンターまでお持ちください。
初回で足りなかったしても、2、3回来館していただければ
たいていは大丈夫ですので、ご安心ください。
◆クローバー◆
中庭の金木犀の木の下にクローバーが植えてあります。
通常より葉が小さいものですが、四つ葉のクローバーを
見つけられる確率は高いです。
お時間と根気があれば、ぜひ探してみてください。
来館記念のオブジェに封入することもできますし、
葉の裏側が紫がかっていた場合には、面白い実験に使えます。
裏側が紫っぽいと感じた場合にはカウンターにお持ち下さい。
実験に使えるかどうか確認いたします。
◆クローバーの実験◆
葉の裏側が紫がかった四つ葉のクローバーをお持ちの場合には
引き出しの鍵穴に当ててみてください。
閲覧時間内は引き出しの鍵は開いておりますが、
クローバーを当てると光る鍵穴がございます。
引き出しは沢山ありますが、クローバーを持って歩き回れば
自然とその引き出しに引き寄せられます。
ですから、光る鍵穴を見つけるのにはお時間はさほどかかりません。
その引き出しの中の品は貴方様の魂の遠い記憶とゆかりのあるものです。
じっくり向かい合ってください。
引き出しの中の品と会話してみてください。
きっとできるはずです。
そして、貴方様にとって貴重な気づきが得られるはずです。
◆歌の道◆
図書館の敷地内には
散策に適した場所がたくさんあります。
何度もご来館いただいている方の中には
お気に入りの散策ルートをお持ちの方が
大勢いらっしゃいます。
敷地内には樹齢100年以上の木がたくさんございます。
< 自分の木>にご挨拶なさってから、館内に入られる方も
大勢いらっしゃいます。
「木に挨拶してからの方が、ひきだしを楽しめる」
とのことです。
西門から図書館へ到る道は「歌の道」と呼ばれています。
花壇やハーブ園の中を通っていく、楽しい道なのですが、
時々、「歌の天使」が遊びに来て、かわいい悪戯をします。
道を通っていく方の心に音符を投げるのです。
音符が心にくっつくと、思わず歌を歌ってしまいます。
それも、すっかり忘れてしまっていた歌を。
どうして自分が知っているんだろう?と思うような歌を。
歌が自然に唇から流れ出すような感じです。
歌の天使と周波数が近い方は、スキップしたり
踊ったりしてしまうかもしれません。
でも、ご安心を。
歌の天使は用心深いので、「歌の道」に複数の方が
いらっしゃる時には絶対に音符を投げません。
あなたが「歌の道」を通った時、忘れた歌を思い出して、
歌ったのなら、周りには誰もいないということです。
ぜひ、歌を楽しんでくださいませ。
心の底に沈んでいた、楽しい記憶を、きっと思い出すはずです。
◆言の葉・ことのは◆
抽斗図書館の入り口付近には多くの木が植えてあります。
この中に「言の葉の木」がございます。
あまり背の高い木ではありませんので、上の方の葉でも
たいていの方は手が届くでしょう。
当館の「言の葉の木」のファンは大勢いらっしゃいます。
一直線に7本並べて植えてありますが、
それぞれの木にファンがついています。
7本の木が全部見渡せる場所に立てば、
「自分の言の葉がある木はどれなのか」がすぐにわかります。
「違った色に見える」
「前に出ているように見える」
それぞれの方によって印象は違うようですが、
ほかの6本とは明らか違って感じられるようです。
ご自分の木が見つかったら、
その木から今日の「言の葉」をお探しください。
たくさんの葉の中で、「どれが今日の葉なのか」も
すぐにわかります。
茎を下に押せば、葉は比較的簡単に取れます。
葉を持って胸の辺りに当ててみてください。
何か言葉が浮かんできます。
それが今、必要な言葉です。
自分の中に染み込んでいくように
じっくり味わうための言葉かもしれませんし、
大切な誰かにプレゼントするための言葉かもしれません。
「何のための言葉」なのかも、葉を胸に当てたときにわかります。
心を空っぽにして、言の葉からの言葉を受け取って下さい。
◆金色の時間◆
図書館の7階の西側のテラスには喫茶部がございます。
営業時間は太陽が西に傾いてから沈むまで。
つまり「金色の時間」を楽しめる間のみの
営業でございます。
テラスからは図書館の敷地の向こうに広がる湖が
ご覧いただけます。
太陽が西に傾いて、陽の光の金色が強くなり始めますと
湖にもその金色が反射するのです。
湖を取り囲む木々が金色に輝きます。
テラス席の空気も金色に染まります。
ご自分の周りの空間が
セピア色に変わっていくのを眺める時、
何か不思議な懐かしい気持ちを味わえることと思います。
各種の紅茶をご用意しておりますので、
お好きなものをお選びください。
ティーカップもさまざまな種類のものがございます。
お好きなものをお選びいただけますが、
「お任せ」を選択なさった場合には、
貴方様の今のイメージにぴったりのティーカップを
ご用意いたします。
◆入館証◆
当館にお越しになるとき、お持ちいただいている入館証は
通常は乳白色ですが、これが銀色に変わることがございます。
貴方様や貴方様の大切な方のお誕生日や大事な記念日の
数日前に変わることが多いようです。
入館証が銀色になった際にはお早めに当館へ
お越しいただけると幸いです。
ご協力いただきたいことがございます。
実は当館の敷地内には、まだまだたくさんの魔法が
隠されているようなのです。
歴代の司書たちも、手をつくして探して参りましたが、
ある周期で新しい魔法が生まれているようなのです。
以前お伝えした、裏が紫がかった四つ葉のクローバーや、
歌の道、言の葉などは、銀色の入館証をお持ちいただいた方が
発見なさったものです。
新しい発見があった場合、銀色の入館証をお持ちの複数の方に
同じ経験をしていただくと、魔法が強化されるようで、
通常の色の入館証でお越しいただいた場合でも、
同じ体験ができるようになります。
銀色の入館証を持って当館の敷地を散策していただければ
きっと新しい発見がございます。
ぜひそれをカウンターまでお知らせくださいませ。
記念品をご用意してお待ちしております。
◆新着◆
新しく所蔵品が追加されましたのでお知らせ申し上げます。
今回の品は、高名な詩人からの寄贈品でございます。
この方は半年ほど前にお亡くなりになりましたが、遺言書の中で
この品を当館へ寄贈するようにと書いてくださったのでした。
当図書館では、通常、所蔵品の追加にはだいぶ時間がかかるのですが、
今回の品は、1年ほど前に「寄贈したいので見てほしい」という
ご依頼を受けており、事前に調査を済ませていたので、いち早く所蔵品に
加えることができました。
この方は当館にずいぶん昔からお出でになっていました。
当館の所蔵品のおかげで多くの詩を書くことができたと
おっしゃっていました。
この方の寄贈品もまた、彼に多くのインスピレーションを
与えてきたものでございます。
ただし、この品との波長が合わないと
「どこにでもあるもの」
としてしか、認識できないのです。
従いまして、今回の所蔵品は司書達だけが特定できる引きだしに
入れることと致しました。
貴方様が、この品と同じ波長の時には、必ずこの品の引きだしを
お開けになるはずです。
そして、素晴らしいインスピレーションをお受け取りになるはずです。
あの高名な詩人がそうだったように、
それを文字として、
あるいは絵として、
または音楽として、
表現せずにはいられなくなるかもしれません。
◆ステンドグラス◆
当館南側にはインナーテラスがございます。
二階分の高さがあり、大きな窓からは
季節ごとに美しい景色をお楽しみいただけます。
大きな窓は、途中からステンドグラスに切り替わります。
このステンドグラスは、
非常に長い歴史のある教会からの寄贈品です。
その教会もまた別の古い教会から
その教会もまた別の古い教会から譲り受けたそうです。
このステンドグラスが
いつ、誰によって作られたのかを記した
正確な記録はございません。
このステンドグラスにまつわるお話はいくつかありますが、
そのうち二つをご紹介いたしましょう。
非常に優れた技術を持った職人がいた。
彼はありとあらゆるものを
芸術的な形に変換して
ステンドグラスに表現することができた。
彼の作品は王宮や貴族の館を飾った。
富と名声を手に入れても
彼は満足しなかった。
もっともっと美しい作品を作りたかった。
彼は、美しいものを求めて旅に出た。
森の中で炎を眺めているうちに
眠りに落ちた夜
美しいステンドグラスの夢を見た。
そのあまりの美しさに感動した彼は
すぐに自分の工房へ戻り
長い長い歳月をかけて
夢で見た通りのステンドグラスを完成させた…
機織の仕事をしていた娘が
病気で視力を失った。
それでも美しい布を織りたくて
毎日祈り続けていたところ
天使が現れ
娘に美しいイメージを授けた。
彼女はその頭の中のイメージだけを追って
長い時間をかけて布を織り上げた。
再び天使が現れ
その布を持って教会へいくようにと娘に告げた。
娘が教会に入っていくと
布は娘の手の中から飛び出し、
壁に張りついてしまった。
そこに光が差し込み
壁に張りついた布はステンドグラスに変わった。
娘の目は光を感じた。
目に映るぼやけた光が焦点を結んだ時、
娘は頭の中にあった美しいイメージを
実際に見ていることに気づいた。
娘は視力を取り戻した…
このステンドグラスは何を表しているのか?
この質問の答えはご覧になった方の数だけございます。
光の当たり方によっても違って見えます。
見たときの気分によって全然違うとおっしゃる方もおられます。
当館へお見えになった時と、お帰りになる時に
ご覧いただくと、違いがわかるかもしれません。
