collage ~窓~

   
1988年(昭63)8月~9月頃に書いた文章です。
翌月の10月に栗苑祭という大学祭があり、
毎年文芸部では、この時期に部誌を作って、
150円くらいで販売していました。
 
(買う人がそれなりにいたのは、ある意味オドロキ・・・笑)
 
「窓」というお題が出され、
部員全員が書かなければならなかったのですが、
どうしても書けなくて、「collage ~窓~」になりました。
 
 
 
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写真ご提供:ちょしさま
ファインダーから見る景色:http://ameblo.jp/tradingpost/ 
  
 
 
 

collage ~窓~

 
*1*窓が開かれている。
  開かれた窓はねじれた川の縄によって風景に接続させる。
  いや開かれた窓はともすれば外部へと焦点を移動させようとする
  私の視線によってごく部分的にしか観察されていない。
  いや開かれた窓は・・・(以下略)
   ☆「開かれた窓のある文例」  谷川俊太郎詩集1  谷川俊太郎
 
*2*とかなんとかやっているうちに夜も更けてきたのだけれど、
  なにしろ古い列車で窓が開け放しになっているものだから
  どうしても蚊が車内に入ってくる。
   ☆村上朝日堂  村上春樹・安西水丸
 
*3*近づいてみるとそれは大きな張り出し窓のある、ビクトリア朝中期の大邸宅だった。
   ☆愛の旅だち  K.M.ペイトン  掛川恭子訳
 
*4*そして、そのあと、小さな町じゅうの人たちは、みんなまどにかけよって
  「どんな馬が逃げ出したのかな」とながめました。
   ☆長くつしたのピッピ  リンドグレーン  大塚勇三訳
 
*5*ニコライ・ハドソフは、ドアの小さな覗き窓からトルカゼを見たとき、驚いたようだった。
   ☆レッド・ストーム作戦発動  トム・クランシー  井坂清訳
 
*6*とうさんもつられて よこの窓に顔をおしあてたね。
   ☆さようなら子供の時間  今江祥智
 
*7*そう言いながら車掌は通路の窓を開け、ポワロの荷物を入れ始めた。
   ☆オリエント急行殺人事件  アガサ・クリスティ  古賀照一訳
 
*8*自宅の窓から船着場が見える。
   ☆「ソ連旅行」  冗談ばっかり  南伸坊
 
*9*窓に映るのは闇ばかり。
   ☆笑う警官  マイ・シューヴァル ベール・ヴァル  高見浩訳
 
*10*ひとつだけ、はなやかなあかりをこぼしている窓がありました。
   ☆飾り窓  立原えりか
 
*11*灯の入った窓と、暗い窓とで、将棋盤を見るようである。
   ☆「階下でまってて」  アイリッシュ短編集一  ウィリアム・アイリッシュ
 
*12*汽車の窓 はるかに北にふるさとの 山見え来れば 襟を正すも
   ☆一握の砂  石川啄木
 
*13*ちょうどそのとき、新しく切った木のにおいが窓の外からただよってきました。
   ☆長い長いお医者さんの話  K.チャッペック  中野好夫訳
 
*14*彼はラ・モール嬢の部屋の窓に眼をそそいだ。
   ☆赤と黒  スタンダール  桑原武夫・生島遼一訳
 
*15*きっちりしまらない窓の下では、何やらあやしげなムードが盛り上がっていた。
   ☆未来視たち  大原まり子
 
*16*・・・幅の細い窓から出入りできるくら細い体を持つカーニックが。
   ☆幻魔の虜囚  タニス・リー  浅羽莢子訳
 
*17*ある晩、とうさんはローラをベッドからだきあげて、窓のところに連れていきました。
   ☆大きな森の小さな家 ローラ・インガルス・ワイルダー  恩地三保子訳
 
*18*細く急な鉄製の階段を一段一段のぼっていくと、二階の右端の部屋の窓が
   開いているのが見えた。
   ☆一瞬の夏  沢木耕太郎
 
*19*窓の下には白く塗った子供用のぶらんこがある。
   ☆「真夏の死」自選短編集  真夏の死  三島由紀夫
 
*20*なに、窓だって。窓があるということは、外があるということではないか。
   ☆手品師の帽子  安野光雅
 
*21*開け放ったガラス窓から、風が吹き込むのと、雨がしぶいて吹き込むのとは同時だった。
   ☆「稲妻」 春の予感  増田れい子
 
*22*彼はぽつんとあいづちを打つと、窓の外に眼を移した。
   ☆「冬の機関車に乗って」  風のくわるてっと  松本隆
 
*23*その上に、とても小さな、鉄格子のはまった窓がありました。
   ☆「すばらしい騎士」  銀色の時  エリナー・フォージョン  神宮輝夫編
 
*24*体をおこしかけるとまた二、三歩たたらをふんで窓の方へひきずられた。
   ☆「忘れろ・・・」  虚空の足音  小松左京
 
*25*低いアーチの連なる廊下は薄暗く、光はその両側のはずれにある、一フィートもの
   石の壁にはめこまれた鉛枠の大きな窓から射り込むだけだった。
   ☆星を帯びし者  パトリシア・A・マキリップ  脇明子訳
 
 
 
 
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写真ご提供:ちょしさま 
神融心酔 http://blog.goo.ne.jp/leonpyan 
 
 
 
 
*26*窓が一つあって、その前につくえがすえてあった。
   ☆だれも知らないちいさな国  佐藤さとる
 
*27*暗い、暗い、と云いながら/誰か廊下を通る。
   ☆「誰か」  西條八十詩集  西條八十
 
*28*ダンテスは鉄の小窓のついた扉の開けられるのを見た。
   ☆モンテ・クリスト伯  アレクサンドル・デュマ  山内義雄訳
 
*28*運転席のうしろのガラス窓が乱暴にあいて、「どこへ行くってったっけね」と
   ガラガラ声がしました。
   ☆くまのパティンドン  マイケル・ボンド  松岡享子訳
 
*29*四角い箱の中の夢 写し撮っては眺め/隣の窓の中の暮らし 写し撮ってはReplay
   ☆「ヴィデオボーイ」  ムーンライダーズ詩集  ムーンライダーズ
 
*30*がらあきの汽車の三等車の窓から眼もそらさず、じっと外を見つめている
   一人のみすぼらしい青年があった。
   ☆城砦  クローニン  中村能三約訳
 
*31*階段の踊り場にある大きな張り出し窓から男たちがあいかわらず木かげや
   あづまやのいすにもたれて、のんびりしているのが見えた。
   ☆風と共に去りぬ  ミッチェル  大久保康雄・竹内道之助訳
 
*32*窓をしめ切ってからにしますぜ。
   ☆「誘拐」  ボッコちゃん  星新一
 
*33*窓の下に押しつけた木製のダブル・ベッド、きらきらする白いポット、サムの本・・・
   ☆土曜の夜と日曜の朝  アラン・シリトー  氷川玲三訳
 
*34*「おや、窓の下の方に横木がわたしてある」
   ☆トムは真夜中の庭で  フィリパ・ピアス  高杉一郎訳
 
*35*そして、高い建物の窓によりかかってなかよく話していた。
   ☆母の死  中勘助
 
*36*窓辺にはクリスマスローズが咲きにおい、平和な家庭のたのしげな雰囲気が
   部屋全体を包んでいた。
   ☆若草物語  オルコット  吉田勝江訳
 
*37*自分の部屋の上の小窓があいていて、そこから部屋の中が見えます。
   ☆人間失格  太宰治
 
*38*一本の木の高いこずえをとおして、斜めにさしてくる光線が、
   二階の窓の鉄格子を照らした。
   ☆エラリー・クイーンの事件簿一  エライー・クイーン  青田勝訳
 
*39*洪作はいつも鉄格子の小さい窓から戸外を見た。
   ☆しろばんば  井上靖
 
*40*ときには、暗闇のなかに、窓の下を行進する部隊や、トラクターにひかれて
   大砲の通りすぎる音などがきこえた。
   ☆武器よさらば  ヘミングウエイ  大久保康雄訳
 
*41*住んでいる五階の部屋の窓から見える空のかたちも四角ではなくなってきた。
   ☆「夜の体操」  眠る盃  向田邦子
 
*42*南に面した窓の戸袋の裏の部分には本棚がある。
   ☆太郎物語  曾野綾子
 
*43*もうひとつの、明るい空色の目をした中背の男の声が酔った声々の中から
   びっくりするほどしっかりした調子で、窓のそばから叫んだ。
   ☆戦争と平和  トルストイ  工藤精一郎訳
 
*44*窓々からは光がもれ、カーテンは夜風にやわらかく吹きなびいた。
   ☆レベッカ  デュ・モーリア  大久保康雄訳
 
*45*・・・フロアの半周を取り囲むガラス窓からのすばらしい展望が
  その単調さを救っていた。
   ☆アッシュと燃える惑星  田中光三
 
*46*汽車が 山道をゆくとき/みずいろの窓によりかかりて
   /われひとりうれしきことをおもはむ
   ☆「旅上」  萩原朔太郎詩集  河上徹太郎編
 
*47*わたしは窓のところへ引きかえして書物をとってきた。
   ☆ジェーン・エア  C.ブロンテ  大久保康雄訳
 
*48*書庫の中は天井の窓からはいってくる日ざしで、いちめんにハチミツ色をしていました。
   ☆木かげの家の小人たち  いぬいとみこ
 
*49*店々のかざりまどはガスの灯がかがやいたりしていた。
   ☆小公女  バーネット  伊藤整訳
 
*50*突然屋外で銃声がひびいたのでマリ子は窓から表通りを見下ろした。
   ☆マリコ  柳田邦男
 
 
 
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写真ご提供:ちょしさま 
神融心酔 http://blog.goo.ne.jp/leonpyan
 
 
 
2010年1月追記 
22年ぶりに見つけた間違い。28番が二つあった(笑)
 
「あの頃の本棚」の写真を見ているような気がする。
よく覚えているものもあるし、完全に忘れているものもある。
表紙の絵や装丁は印象に残っているのに、どういう話だったか
全く思い出せないものもある。
 
 
全く無秩序に本が並べられたり、積み重ねられていた近所の古本屋。
当時住んでいたアパートから自転車で10分くらいだった。
独特な香りが漂う中、時間を忘れて立ち読みしていた。
 
本を読むのに満足すると、自転車でそこらを走り回った。
日が傾く頃に小さなスーパーで野菜や豆腐を買って、アパートに帰った。
 
お金はなかったけど、時間はたくさんあったなぁ・・・
 
当時は豊かだとは思わなかったけれど、
今思い返すと、ものすごく贅沢な時間を過ごしていたのかもしれない。