のせてのせて



のせてのせて
東光寺啓 え
初版 : 昭和44年7月5日
 
これも大好きだった本。
手元にあるのはなんと初版本。
本に書かれている値段は250円。
今、同じ本を今買ったら税込735円。
 
意図があったのかどうかは不明だが、母はこの本を取っておいてくれた。
 
クリーム色の表紙はうっすら汚れているし、本のフチはベージュに変色している。
 
ページをめくると古い本のにおいがする。
「時を越えて」という感じがする。
 
 
黄色いスモックを着て、バスケットを持った「まこちゃん」が、なんとオープンカーに乗っておでかけ。
(息子に読んであげるときは名前を「こーちゃん」に変えている)
 
うさぎと
くまと
ねずみが
ヒッチハイクする。
 
うさぎは「おさじさん」に出てくるぼうやかもしれない。
くまは…なんでこんなに爪が長いんだろう???
ねずみのおかあさんは子供を10人も連れている。
 
トンネルを通過する時、絵本のページは真っ黒になる。
 
黒いページに浮かび上がる、かまぼこ型の白い出口と白抜きの文字。
「トンネルトンネルトンネルトンネル」
「まっくらまっくらまっくらまっくら」
 
このページを読む時、父も母も、おかしな抑揚をつけていた。
 
私も全く同じ抑揚をつけて息子に読んでいる。
 
トンネルを抜けると
「でた!
おひさまだ!
さあ いくぞ びゅーん」
と言って走り去る。
 
行き先は奥付のページの絵。
山間の遊園地(?)。
 
今、この絵を見ると、小学生の頃行った「ユネスコ村」みたいだと思う。
たまねぎ型の屋根の塔や大きな赤い風車。
絵自体に「こんなシンプルな絵だったっけ?」いう印象を持ってしまう。
 
記憶の中には面白いものがいーっぱいあるという印象が残っているから。
 
ものすごくいい場所だと思い込んでいた。
楽しいものがたくさんある場所。
きらきらわくわくするものが詰まっている場所。
 
もちろん、こんな風に具体的に感じていたわけではないけれど、
何か楽しいことがある、夢の国みたいなところを想像していた。
 
小さい頃に行った場所をもう一度たずねた時、記憶とのギャップに驚くことがある。
「こんなに小さかったっけ?」
「こんなに古かったっけ?」(←これは仕方ないのだが)
 
すごいと思っていたものが子供だましだったとわかった時は、ちょっとさびしい。
 
♪夢はさわらぬ方がいい
♪いたずらに いたずらに
(松任谷由実 PEARL PIERCE 1982 「むかしの彼に会うのなら」)
 
 
 
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