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お話し小箱。「好きに動かしてみよー」28 

 

 

 
 
 
「貴方には、赤味を帯びた石、
 もしくは、暖色系の石がよさそうですね」
イワイシは事務的な口調で言った。
 
 
 
「そうですか・・・」
オーナーは神妙な表情をしていた。 
 
 
 
「石をお求めになる方は、
 何か希望とか期待をお持ちになっていることがほとんどです。
 事業を拡大したいとか、ある場所の土地が欲しいとか。
 そういうものが特にない場合は、
 ご本人の雰囲気などから判断することになります」
 
 
 
(いかにもお仕事ってしゃべり方だなぁ)
透はイワイシの横顔をチラッと見てから、
目の前のコーヒーカップに視線を落とした。
 
 
 
透は、オーナーの家にもう一度行くのかと思っていたが、
会合の場所は、落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。



店内はかなり広くて、テーブルの数も多かった。
案内されたのは個室とまではいかないが、かなり奥まった席だ。
テーブルの近くまで店員が来なければ
会話を聞かれることはなさそうだった。
  
 
  
 
「希望とかそういうのはないんです・・・
 私に暖色系の石が合うのであれば、
 ぜひそれを購入したいです」
オーナーは、本当に石を欲しがっているのが
ハッキリ感じられる口調で応えた。
 
 

イワイシは先生に視線を送ってから言った。 
「では、石をご用意いたします。
 石のお渡しやお支払については、彼の担当になりますので、
 お二人でお話しください」
 
 
「わかりました。
 あの・・・その・・・
 何日くらいで私の手元に来るのでしょうか?」



(オーナー、ものすごく嬉しそうだなぁ。
 先生はびっくりしてるみたいだ)
先生とオーナーの様子を見て、透はなんだかおかしくなった。



「そうですねぇ・・・今週中には」
イワイシは事務的な口調のまま答えた。



「・・今週中ですか」
オーナーはちょっとがっかりしたようだった。



「かなり、お急ぎのようですね。
 では、私たちはこれで失礼して、
 すぐに石の準備をいたします」
イワイシはテーブルに二人分のコーヒー代を置くと、
透を眼で促して立ち上がった。



「いや、その・・・」
オーナーはあわてたが、イワイシはにっこり笑って
軽く会釈すると店を出て行った。

透は呆気にとられていたが、
急いでカバンをつかむとオーナーと先生に一礼して、
イワイシの後を追った。 
 


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「何なんだよ、こんなにすぐ帰るなんて!」
透は駐車場に向かうイワイシの背中に向かって
強い口調で言った。



イワイシは振り返ってニヤッと笑った。
「・・・早く帰るって言ったよな?」



「言ったけど、こんなに早いとは思わなかった」



「先生のゲームにつきあうつもりはないから、さっさと石を渡して、
 全員で顔をつきあわせなくて済むようにしたいんだ」



「ゲーム?」



「誰が最初にボロを出すかってゲーム。
 先生は俺達とオーナーが会ってるって確信してる。
 証拠はないけど、感覚でわかるんだろ。
 で、こっちは、先生がそう思ってることを知ってるけど
 証拠はないから、知らないふりをする。
 まあ、ボロを出さない自信はあるけど」



「・・・俺がボロ出すってことか?」」



「そんなこと一言も言ってない。
 心当たりがあるとか?」



イワイシはクルマに乗り込んだ。
透はムッとしたが、置いていかれても困るので
急いで助手席に座った。



「心当たりなんかない。
 
 だいたい、なんでこんな不便な場所の喫茶店で
 会うことになったんだよ。
 野菜買いに行くとかって話じゃなかったのかよ」



「別に不便でもないだろ。
 クルマがあれは、どうってことない。
 話をすぐに終わらせられて
 好きな時に帰れる場所ってことで、
 ここにしてもらった。

 ・・ハシバは、ウチの店は嫌いだったな。
 でも候補の石はあっちに置いてあるから、
 つきあってもらえないかな?」



「・・・駅とかバス停とか適当な場所に連れて行ってくれたら
 そこで降りるよ」



「そんなに行くのが苦痛?
 やってもらいたいことがあるんだけど」
透がシートベルトを着けると、イワイシはアクセルを踏んだ。



「候補の石が濁った色になってるとか?」



「うーん・・・まあ、そんな感じかな」
イワイシは言葉を濁した。



「それって、イワイシでもどうにかできるんだろ?」



「できないよ」



「ホントに? 俺にだってできるのに?」



「うーん・・・やってやれないことはないけど、
 簡単にはできない」



「簡単って、ただ石を握るだけじゃないか」



「やることは確かにそうだけど・・・
 その石を、現時点でのあるべき状態っていうか、
 理想的な状態にしなきゃいけないんだ。
 俺がやるとたいていやりすぎになる。
 慎重に狙ってやれば、できなくはないけどさ、
 結構苦労するんだよ。
 ハシバはナチュラルにできるからな」



「ふーん・・・」



「ということで、やってほしいんだけどな。
 気が進まない?
 ボランティアじゃなくて、仕事として」


「仕事?」



「そう。
 謝礼とか時給じゃなくて、技術料みたいな感じの支払いで」



「石に触るだけなのに?」



「ハシバにとってはそうかもしれないけどさ、
 誰でもできることじゃないんだ」



「自分でやってるわけじゃない。
 どうやってるかさえわからない」



「・・・俺だって同じ状況だよ」
イワイシの声が急に低くなった。



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透がイワイシの横顔を伺うと
無表情のまま、まっすぐ前を見ていた。
しばらくの間、沈黙が続いた。



「自分でやってるわけじゃないんだけどさ、
 ケムリもハシバもそれを認めてくれないんだよな」
イワイシはいつもの口調でつぶやいた。



「どこからその力が来ているかはともかく、
 イワイシの場合は、それをどう使ったらいいか、
 わかってやってんだろ?」



「・・・まあね。
 そういうことになるのかな。

 力っていうかエネルギーみたいなものって、
 何にでも使えるんだよ。
 いいことにも、悪いことにも。

 包丁だってさ、自分ちで野菜を切っている分には問題ないけど、
 スーパーの売り物を切るのはマズイし、
 他人を切ったりしたら大問題になる。
 包丁って道具自体は何も変わらないんだけどね」



ギリギリまで追い詰められるようなことがあれば、
ビルを吹っ飛ばすこともできるという話を聞いたことを
透は思い出した。



「・・・起こる可能性の低いことを心配してるんだな。
 ホント、心配症だなぁ。
 ハシバは基本的に平和主義者だから大丈夫だよ。
 他人を傷つけるようなことにはならない」



「なんでわかるんだよ」



「前にもこういう話をしてた時、
 めちゃくちゃ不安だって全身で表現してたからさ。
 あの時と同じような雰囲気になってる」



「・・・イワイシは平和主義者じゃないのか?」



「時と場合によりけりだね。
 でも、戦うっていうのは、やっぱ好きじゃないな。
 ゲームとかスポーツみたいにルールがちゃんと決まっていて、
 勝ち負けを決めるってだけならいいけど」



「そうじゃない戦いって、めったにないと思うよ」



「ああ・・・ココでは皆無とは言わないけど、
 まずないだろうなぁ」



ココってどういう意味なんだろう?
透は、質問しようとして思いとどまった。
ココというのは、
 <この世界じゃない場所>
を指しているような気がした。

そういう場所があるなんて考えたくなかったし、
石の色を変えるエネルギーがそういう場所から送られてきて
自分を経由しているかもしれないと考えるのも嫌だった。



「・・・それにしても、オーナーは、
 めちゃくちゃ嬉しそうにしてたな。
 ああいう表情をするんだって、感心したよ」
透の沈黙の意味を察したのか、イワイシは話題を変えた。



「そうだね。
 笑っちゃうくらい嬉しそうだった。
 
 先生にしてもオーナーにしても、
 何であんなに石にこだわるんだろ?」



イワイシはクスッと笑って言った。
「あの二人から見れば、ハシバの反応の方が
 不思議だって思ってるよ。
 どうして石に対して何とも思わないのかって。
 もっともハシバの場合、石との出会いが
 あまりいい印象じゃなかったからなぁ・・・」

 
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「そうだね。
 いい印象じゃなかったっていうのもあるけど、
 どこがいいのかわからないし、
 何がすごいのかもわからない。
 見た目は確かにきれいで不思議な感じがするけど、
 先生や暁子サンみたいな人が
 一生懸命かかわるって対象かなぁって気がする」



「それって、もしかして、
 石なんて大したことないとか、
 大騒ぎするようなモノではないって意味?」



「そこまでは言えないけど、
 まあ、そういう雰囲気かな」



「ハシバにとっての石は、
 身内みたいな感覚になってるんだろうな。
 ふだんからフツーに見てるものとか、
 家族とかって、特別じゃないだろ?」



「そうだけど、石を見る機会なんて
 たいしてないよ」



「でも、いつも持ち歩いてるだろ?」



「そうだけど、一個だけだし。
 なんとなくポケットに入れてるだけで」



「すごく馴染んでるってことだよ。
 持ってないと落ち着かないからっていうより、
 持ってるのが当たり前になってるから、
 なんとなくであっても、いつも持ち歩いてるんだろ?」



「確かにそうかも。
 ・・・あの石って、ほかの石とは違うとか?」



「最初に説明したけど、ハシバにとっては
 ものすごく特別」



「その人に合うとか合わないとって話?」



「そう。
 ハシバの場合、自分でも調整してるからホントに合ってる」



「・・・そういうの、わかんないな。
 何度も言ってるけど、自分じゃわからない。
 どうして石の色が変わるかもわからない」



「そっかー・・・どう説明したらいいかなぁ。
 うーん・・・たとえば、誰かの一言で
 気分が良くなったり悪くなったりすることってあるだろ?
 ああいう感じに似てるかもしれないな」



「その説明はわかるような気もするけど
 やっぱりわからないなぁ。
 石に対して何かやってるわけじゃないから。
 ・・・どうなんだろう?
 石の色を元に戻すのに・・お金をもらっていいのかな?」



「俺はいいと思うよ。特殊技能だし。
 でも、ハシバは乗り気じゃないみたいだな。
 自分で何かやってる感覚が全くないから、
 やり方すらわからないし、
 毎回できるかもわからない・・・そうだろ?」



「ああ、その力を期待されてるっていうのがイヤだ」



「期待って・・・実際、できるからなぁ。
 できなくなる要因もないし」



「前に聞いた説明だと、
 どっからかエネルギーが来ているらしいから、
 それを扱える人間だったら、誰でもいいんだろ?」



「誰でもいいってわけじゃない。
 適性っていうのかな、そういうのはあるよ。
 それに、扱える人間だってゴロゴロいるわけじゃないし」


 
(だからって、何で俺なんだよ・・・)
透は、ガラス越しに流れていく景色に目をやった。



いつの間にか川沿いの道に出たらしい。
助手席側から見えるのは、緑の草に覆われた土手だった。
土手の上にあがれば、川が見えるのだろう。
 
 
「ちょっと寄っていくか・・・」
しばらく走って、駐車場の看板が見えてくると、
イワイシが独り言のように呟いた。
 
 
 
「寄ってくってどこに?」 
 


「川。水の近くは落ち着くから」




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埃っぽい駐車場の隅にクルマを止めると、
二人は外に出た。



気持ちいい風が吹いていて、草の匂いがした。
河川敷の向こうに見える川は、
午後の陽ざしを浴びて、光っていた。
 


「近くまで行ってみよう」
スーツに皮靴だというのに、
イワイシはどんどん草むらに入っていく。



「全然気にしないんだな」
透が声をかけると、イワイシが振り返った。
 
 
 
「何が?」
 
 
 
「皮靴履いてるんだろ? そのスーツも高そうだし」



「ああ、そうだったな」
それだけ言うと、イワイシは川の方に向かって歩き出した。
透が草の中に足を踏み入れると、
かなり大きなショウリョウバッタが逃げていくのが見えた。



(最後にバッタを捕まえたのはいつだったかな)
草に止まっているバッタにそっと手を伸ばしたときのことを
透は不意に思い出した。
(捕まえても、結局すぐに放してたけど、何が楽しかったんだろ?)



どこからかゴーッという音が聞こえてきた。
顔を上げると、遠くに見える鉄橋を
電車が通過しているのが見えた。



(鉄橋の真下で、電車が通るのを待ってたこともあったなぁ。
 学校の帰りだったのかな、何人かで待ってて、
 電車が通過すると大騒ぎしてたっけ・・
 大声を出しても、全然声が聞こえないのが
 おもしろかったんだよな)



川の近くまで来ると、草むらが途切れた。
白いブロックが敷き詰められていた。



イワイシは水面をじっと見ていた。



「水の近くって、ホントに落ち着くのか?」
透が声をかけると、イワイシが振り返った。



「ああ・・あまりに汚れてるとダメだけど。
 水は重要なんだ・・・俺にとってはね」



「ふーん。なんだか、川と話してるみたいに見えた」



「・・・ハシバはいろいろわかるんだなぁ」



「ホントに話してたのか?」



「うん」



「何を?」



「いろいろ・・・後押ししてほしい時ってあるだろ?
 こうすればいいってわかってても、
 何か自信が持てなくて、踏み出せないときとか」



「そんなのしょっちゅうだけど、
 イワイシでもそういう時があるのか?」



「はぁ?・・・あるに決まってるだろ。
 大きな会社の社長さんだって、
 占い師に頼ることがあるんだから」



再びゴーッという音が聞こえてきた。
イワイシは鉄橋の方に目を向けた。
8両編成の銀色の電車が通過していく。



「クルマに戻ろう。
 オーナーの石の準備、手伝ってくれるよな?」

 

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(やっぱりここは落ち着かない・・・)
店舗とは思えない、イワイシの「店」の
白いソファに腰を下ろしたとたん、膝の上に飛び乗ってきた
アンジェロのやわらかい背中を撫でながら透は高い天井を見上げた。



隣の部屋へ続いている重そうなドアが
静かに開くとイワイシが部屋に入ってきた。
左手には金色の箱を持っていた。



「それがオーナー用の石?」



「そう。これがちょうどいいと思う」



イワイシはテーブルをはさんで透と向かい合う位置に
腰を下ろし、箱の蓋を開けてテーブルの上に置いた。
箱の内側には黒い布が張ってあって、
真ん中に赤っぽい石があった。



「・・色が変わったんじゃなくて、
 最初っからこういう色なんじゃないのかなぁ」
透はふと感じたことを口にした。



「・・・やっぱりわかるんだなぁ。
 そうだよ、この石は色が変わったんじゃなくて、
 もともとこういう色。
 けど、この色が最終形態じゃないんだ。
 ここから変化させる必要がある」



「ふーん。
 候補の石が濁ったのかって聞いた時に
 はっきり答えなかったのはそのせいなんだな。
 でも、最終形態だとかそうじゃないとか、
 どうしてわかるんだ?」



「ケムリの言葉を借りると、
 <石がそう思ってるから>ってことになるかな。
 でも、ハシバだってわかることだろ?
 最初っからこういう色だったって気づいたんだから」



「俺には石の気持ちなんてわからない。
 ただ、ふっと思っただけだ」


「別にわからなくてもいいんだよ。
 パソコンや携帯の仕組みを知らなくても
 使うことはできるんだから」



透はイワイシの言葉には同意したくなかったが、
確かにそのとおりなので黙って石を見つめた。



イワイシは立ち上がって透の前まで来ると、
膝の上で丸くなっていたアンジェロを抱き上げた。
アンジェロは小さな抗議の声を上げたが、
イワイシの腕の中でおとなしくしていた。



「いつもどおりに太陽とか炎とかイメージして
 その石を持ってもらえないかな?」



透はうなずくと右手をのばして石をつまみあげ、
左手の上に載せて、顔に近づけてみた。



濁っているというよりは、
何か薄皮のようなものに覆われているような印象があった。
色が濁ってしまった石とは違う感じがした。



石を載せた左手に右手をかぶせると、目を閉じた。
まぶたの裏に赤い光がふっと現れ、数秒後に消えた。



眼を開いて石を見ると、
透明感のある明るいオレンジ色になっていた。



「色が明るいからかなぁ・・光ってるみたいだ」



「そうだね、微妙に発光してるかも」



透は石を箱に戻した。
「これでいい?」



イワイシはテーブルの上の箱を手に取り、
顔を近づけた。
「やっぱりすごいね。ありがとう」



「でも、理想的な状態とかって全然わからないよ。
 こんなもんかなっていうのもない。
 ただ、これで終わりって感じがするだけだ」



「終わりだってわかれば、それで十分。
 ・・・先生から入金されたら技術料払うから。
 紅茶を淹れるから、ちょっと待ってて」



イワイシはアンジェロを床に下ろすと、
部屋を出て行った。



アンジェロはすぐに透のほうへ走ってきて、
再び膝の上に飛び乗ると丸くなった。



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しばらくして、イワイシが戻ってきた。
紅茶のいい香りがふわっと広がった。



左手に持っている銀色のトレーには
白いティーカップが二客載っていた。



「石は、オーナーにどうやって渡すの?」
透はティーカップを受け取りながら尋ねた。



「先生経由」
イワイシは、透の質問に短く答えると
自分の分のティーカップをテーブルに置き、
ソファに腰をおろした。



「・・でも、先生と会うのは、ちょっと気が重いなぁ。
 暁子サンから渡してもらうか」



「・・暁子サンって忙しい人じゃなかったっけ?」



「うん。でも、移動が多い人だから、
 移動時間につかまえればいいだけの話」
イワイシは紅茶を飲んだ。



「冷めないうちにどーぞ。

 紅茶を淹れてるとき、
 オーナーからメールがきた」



「なんでアドレス知ってるの?」



「名刺渡したから。
 業務用のメールアドレス。
 もっと話したかったらしい」



「先生がいるのに?」



「石のことを聞きたかったんだろ。
 先生からいろいろ聞いてるみたいだけど、
 石を探せる人間の話も聞きたかったんじゃないかな」



「ふーん」
透はティーカップを口に近づけた。
立ち上る湯気の温かさを頬に感じたとき、
オーナーとイワイシ、ケムリ、自分が一緒にいる場面が
見えたような気がした。
同時に右肩が一瞬熱くなった。



「うーん・・・会うことになるのかー」
イワイシがつぶやいた。



「白い光・・送っちゃったみたいだな」



「ああ・・いやな感じってした?」



「特になかったけど」



「ふーん・・・どうするかなぁ・・・
 オーナーにもう一度会ってもいいって思う?」
 


「うーん、どうかなぁ。
 4人一緒にいる場面が見えたけど、
 俺がいる必要があるのかどうかわからない」



「必要かどうかじゃなくてさ、
 石絡みのことにもうちょっと関わる気があるかどうか、
 そういうことなんだけど」



「・・・じゃ、今回で終わりってことにしてもいいのか?」



「もちろん。
 今までだってご好意だったって理解してるし、
 この先も、強制はできない」



「そっか・・・」
透は紅茶の湯気を見つめた。



(ここで終わらせてしまうのが
 なんとなく悔しい感じがするのは、
 この先も石と関わりたいって思ってるからなのかな?)



そのとたん、ポケットの中の石が布越しでもわかるほど、
熱を帯びるのが感じられた。



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