2010年 8月 17日

韓国初日(2010年8月9日) その1

カテゴリー 旅行

韓国旅行初日。

アシアナ航空 OZ107 午前9:17離陸。


約2時間のフライト。
機内は寒い・・・


9:50 機内食配膳開始。
これは、何ご飯だ?
朝ご飯になるのかな?


肉か魚の選択はなく、トレーがどんどん配られ、
お茶やコーヒーを持った客室乗務員が次々にやってきて、
飲み物を配って回り、その後、トレーがどんどん下げられていく。
10:20には片づけ終了。


すごいスピードだ。
2時間くらいのフライトで食事を出すのだから、
このくらいの速さでやらないと間に合わないのだろう。


丸いパンとチャイルドミールのお菓子を確保。
これで息子の「おなか空いた攻撃」への備えはバッチリ。
(と、思ったが全然足りないことが、後程判明する)


11:14着陸。
税関を通って荷物を受け取ると、次はレンタル携帯の受け取り。

夫が手続きするのを待っていたら、やたらと時間がかかった。

後で話を聞いたら、外に出るのに時間がかかると思ったので、
受け取りの時間をもっと遅い時間で指定していたため、
まだ開通していなかったとのこと。

窓口のお姉さんがセンターに電話して手続きしてくれたらしい。


それにしてもなんだかおもちゃっぽい。
mp3ボタンやブルートゥースモードとかあって、
そのほか高機能満載だけど、
古いPHSを使い続けている私には何のことやら??



前回同様、マニュアルはとってもあっさりで、あまり役に立たなかった。


携帯受け取り後はATM。
ウォンでお金をおろして、KTXの切符を購入。

夫はKTXのサイトの時刻表をプリントアウトして持ってきていた。
それを見せながら、窓口のお姉さんに日本語ONLYで意志を伝えて無事切符を購入。

次に空港から「光明」行きのリムジンバスのチケット売場へ行き、チケットを購入。
大人10000W、子ども8000W。
子どもは半額じゃないのねー



リムジンはなかなか快適だった。
光明まで50分くらいかかると言われたが、もう少し早くついたと思う。




光明駅にはKTX miniというショップがあった。




キティちゃんとかシナモンロール等のサンリオグッズも売られているものの、
この店は、待望の(夫にとっては)KTXグッズ&おもちゃの店だった!







KTXのキャラクターたちはビミョーな可愛さ。
(翌日、彼らの壮大な夢が明らかになる)
夫はここでさんざん迷って甥っ子へのお土産と
息子用のお財布を買っていた。







光明駅の様子。









売店で買った「Qoo」。 ハングルでも「クー」と書いてあるらしい。



13:46のKTXに乗った。
切符にかかれた番号の席に行くと、若者とおじいさんが座っていた。

そこは向かい合わせのテーブル席で、おじいさんは進行方向に向いた窓際、
若者は反対側の通路側に座っていた。

私達が切符を持っているのを見ると
若者はさっと立ち上がって、どこかへ行ってしまった。

おじいさんが韓国語で何か言ったので
「ごめんなさい、わかりません」
と夫が日本語で言うと、おじいさんは
「日本の方ですか?この席ですか?」
と流暢な日本語で言って立とうするので、
「こちらは3人なので、大丈夫です」と夫が答えて、
夫がおじいさんの隣、息子がおじいさんと向かい合わせの席、
私は息子の隣に座った。


おじいさんはにこにこしながら、自分が80歳を超えていること、
昔、日本へ行って富士山に登って、キャンプしたことなどを話してくれた。


80歳を超えているようには見えなかった。
身体がしゃんとしていて、とても活力がある感じで
表情がイキイキとしていて、瞳には強い光があった。


彼は息子のことを「坊ちゃん」と呼んだ。
なんだか新鮮。
よその家の男の子に対して「坊ちゃん」と呼びかけることは、
最近は滅多にない・・・というより、普通は言わないかもしれない。
「ボク」という言い方より、よっぽどいいような気がした。


塩野七生先生の本の話になった。
(何がきっかけだったんだ??)

「塩野先生のご本は、たくさん出版されているので、全部は読めていませんが、
要約されたものが最近出版されたので、それを買って読みました」


ほとんど読んでいないので恥ずかしい・・・


「先生の講演会があったので、一番前の席で傾聴いたしました」
傾聴いたしましたってサラッと言えるのはすごい。


おじいさんは本当に日本語が上手。
というより、日本人と話しているのと変わらない。

おじいさんの話す日本語からは、
とても正しい日本語、非常に丁寧な日本語という印象を受けた。


「自然より立派なものはないと思います。
 私はそれが真理だと信じています」

食べ物に関して言えば、
彼はパンとかファーストフードは嫌いだと言っていた。


昔の知識階級の人は、食べ物でも何でも自然を基礎として
生活してきたそうだ。
彼も小さな畑で野菜を作って、それを食べているとのこと。


・・・「おじいさん」というのは、どうも彼のイメージに
そぐわないので、ここからはL先生と書くことにしよう。


L先生は韓国の建物や衣服については、曲線的、
日本のものについては、直線的と考えているようだった。


日本の歴史ドラマを見ているそうで、
そこに出てくる人々の衣装を見ると、
日本の服装はとても直線的だと感じるそうだ。

直線的=カタイという印象を受けるらしい。


私自身は硬さというより、折り目正しいと感じるのだが、
これが、「外側からの視線」と「内側からの視線」の違いなのだろう。


L先生は、韓国の服装はフレキシブルだとおっしゃる。

私は韓国ドラマをそれほどみているわけでもないし、
昔の衣装を着ているようなドラマも本当に少ししか見ていないが、
フレキシブルというよりは、「動き」が感じられると思う。



以前読んだ、「本の遠近法」(高階 秀爾著)という本の中の
『「てりむくり」の感性』に、日本建築の直線と曲線について書かれた文章があった。

「てりむくり」は、建築の専門用語ではあるが、一般的ではないらしい。
神社の建物を正面から見たとき、お賽銭箱がある辺りの上の屋根が
緩やかに持ち上がった形状になっているが、このふくらみが「むくり」。
この時、両側が下がっている形になるが、これが「てり」になる。
これがつながると「てりむくり」。

このカーブは日本独特なもので、日本刀の反りとか、お城の石垣の
曲線と同じようなものだとのこと。

西洋の曲線は直線とは別物だが、日本の伝統的な建造物などに見られる「反り」は、
>本来まっすぐであるものにわずかに湾曲を与えたものであって、
>その意味では直線と同じ仲間である。

L先生は韓国の建物との比較で、直線と曲線を語られたのかもしれないが、
恐ろしく博識な方なので、日本独特の曲線については、
直線の仲間として考える説をご存知だったという可能性はゼロではないと思う。



L先生は、韓国の昔の建造物に対しては、
「建物」という存在を超えて、芸術的作品と呼べるような印象を
お持ちのようだった。


特に曲線には余韻があり、韓国の昔の建物の部屋にとどまっていると
自然に心が静かに平和になっていくそうだ。


本当は自然の中で暮らしたいし、現代的なアパートは嫌なんだけど、
奥さんはアパートが好き。
「離婚するわけにもいきませんし、ねぇ・・・(笑)」


そして、韓国の田園に対しては、自然の縮小のように感じ、
日本の田園は、かなり人の手が入っているように感じるそうだ。


これもまた、何に重きを置くかという価値観の違いによるものだろうし、
「手塩に掛ける」という行為を、どう解釈するかの違いでもあると思う。



「韓国人は・・・love nature so much」

なぜか突然L先生は英語で話し始めた。
(後で知ったことだが、彼はアメリカ政府の奨学金で
 ハワイ大学・コロラド大学を卒業した後、
 韓国で30年間、英語を使って数学を教えていたそうだ)


私にとって韓国旅行は、今回で4回目だが、
(ハングルは「模様」のままだ・・・汗)
韓国の人が自然が好きかどうかについて
考えたことは一度もなかったので、ちょっとびっくり。

ソウルの街中を歩いている人々は、自然とはあまり縁がなさそうだし・・・


L先生は一人でいろんな国を旅して、
日本人学生やアメリカ人学生と一緒にユースホステルに泊まって、
いろいろな分野のことについて意見交換をしたり、
政治的なディスカッションを楽しんできたそうだ。


自分も旅が好きだから、旅人が大好き、とのこと。


旅といえば、その土地の風土によって作り出された、
郷土料理・名物料理みたいなものを食べる機会があるが、
それについてもL先生はお話しされた。


食べ物にはその土地ごとの影響がある。
韓国はキムチが有名だが、土地ごとに味が全然違う。

銀座のお寿司はとてもおいしい。
食べたくなると日本に行く。
韓国の一流ホテルであっても、
銀座の寿司と同じ味を出すことはできない。


・・・寿司を食べるために銀座???
もしかして、ものすごい人とおしゃべりしてる??


L先生は旅行の前には大使館へ行かれるそうだ。
たとえば、イギリスに行こうと思ったら、
駐韓英国大使館へ行く。

大使館へ行って
「あなたの国へ行くからサポートしてください」
とお願いすると、いろいろな資料をくれるそうだ。

さらに図書館へ行って下調べも済ませておく。


そして、現地へいって実際に自分の目で見て確かめる。
何を見て、何を感じたかを記録しておく。

帰国して、自分が書いたものを読み返すと、
さらにもう一度旅をした気持ちになれるそうだ。
読み返すと新しい印象が持てるらしい。



「今回の旅行では、どこに行くご予定ですか?」
L先生は再び日本語を話したので、内心ホッとした。


海印寺に行くというと、ニコニコされて、
「私も、2,3年に一回は行っています」とのこと。

海印寺を訪れるたびに違う感じがするそうだ。
自分の考え方が変わっていくから、印象も変わっていくのだと
考えていらっしゃるらしい。



L先生は、広隆寺のお話もされた。
日本のお寺なのに、自分は一切知らないというのはちょっと恥ずかしい。

広隆寺は百済の人が作ったとおっしゃっていた。
(ネットで調べたところ、新羅系の帰化人という説もあるらしいが)
材料に朝鮮半島のものが使われているらしい。

ドイツ人哲学者のヤスパースがこのお寺のことを
宗教を超えて「芸術品」として絶賛したそうだ。


先生のお話を伺って、2007年9月に奈良方面を旅行した時のことを思い出した。
この時は、東大寺や飛鳥寺、法隆寺、石舞台古墳など、
有名な場所を回ったが、元興寺というお寺にも行った。
世界遺産になっているとは全く知らなかった。
(行こうと思って行ったのではなく、たまたまだったのだが)

このお寺の瓦屋根には、古い瓦を再利用している部分がある。
この古い瓦というのは、元興寺の前身である法興寺(飛鳥寺)を
建てるときに作られたそうだ。(588年頃)
百済の王様が瓦博士を派遣して作らせたらしい。
古い瓦だけ色が違っていてなんだかモザイクのようだった。



芸術品レベルの仏閣や、歴史的建造物を
しっかり見るには、時間がかかる。
ゆっくりと物事を見ないといけない。
このような理由から、L先生は
「だから私は群れを作って旅をしません」
とおっしゃっていた。


「その2」に続く。

コメント(1)

コメント(1) “韓国初日(2010年8月9日) その1”

  1. kakkoon 2010年8月20日 at 10:48 PM

    L先生とのっけから出会っているということが、この旅の素晴らしさ。
    今日から読み始めます。
    シェア、ありがとうございます!

    ━……‥‥━━━━━━━━━━━━━━━━━

    お読み下さってありがとうございます!!

    L先生、本当にすごい方でしたー

    今回の旅では、現地の方にとても良くしていただきました。